地方競馬関係者インタビュー/ 川崎競馬場・林厩舎 林 隆之 調教師
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川崎競馬場・林厩舎/ 林 隆之 調教師
(1973年生まれ)
専門学校在学中に、ゼミで牧場に行ったことがきっかけで、学校を退学し馬の世界に。早田牧場で4年働いた後、川崎競馬場の武井厩舎、池田厩舎で厩務員を経て、 2009年調教師試験に合格。同年より開業。
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調教師になろうと思ったきっかけ
元々動物が好きで、高校卒業後、動物関係の専門学校に通っていましたが、その時は競走馬に携わる仕事がしたいと思っていたわけではありませんでした。
2年のゼミで早田牧場に行った時、競走馬に乗って調教をしている従業員さんを見て、馬に乗りたいと思い、すぐに早田牧場に履歴書を送り、学校を退学して働き始めました。
その当時は、厩務員を目指していたわけではなかったのですが、4年ほど働いたある日、親戚が川崎競馬場で調教師をしているということを知り、 その親戚から厩務員として働かないかと誘われ、厩務員になることに決めました。 川崎の武井厩舎で働き始め、後に池田厩舎に移り、池田調教師の勧めもあって、調教師になりました。
実際に調教師をやって想像と違うところ
たいていの調教師は、経営者という立場になって、担当馬に向き合っていた厩務員時代との仕事内容の違いに戸惑いを感じるところですが、 私は、厩務員時代から馬主さんとの連絡や馬の入れ替え手配など調教師に近い仕事を任せてもらえていたので、 調教師になって想像と違ったということはありませんでした。
ただ、厩務員は馬を触るのが仕事ですが、調教師は馬を見て指示をだすことが仕事なので、より的確な判断ができるように、 馬を見て何かを得る目や知識をこれから養っていく必要があるとは感じています。
馬の仕事は終わりがなく、これでいいという答えがないので、一生が勉強ですね。
調教師の仕事のやりがい
より良い結果を出すために、血統、馬体、今までのデータなどから各馬の適正距離を見つけ、馬の性格を見極めて、その馬にあったスタッフを配置するなど、 調教師という仕事には、監督的な要素もあることが楽しいですね。元々、サッカーなどをしていて選手を配置することにも楽しみを感じていましたし(笑)
また、色々な情報、方法を取り入れつつ、試行錯誤しながら、いい方向に向けていくこともやりがいを感じます。現在は、ウエスタンの技術を学び、 本来の野生の馬に向き合うことで競馬に活かせないかと思っています。
厩舎の指針
仕事をする上で楽しく仕事をすることは大切だと思います。ただ、それには人と馬とのコンタクトが常に取れている必要があります。馬は常に何らかの意思を発しているので、 他のことをしながらも、常に馬の方に神経を向けていないと、例えば、ご飯の食べ方がいつもと違うとか、いつも起きている時間に寝ているという違いに気付けなくなってしまいます。 そういうアンテナを常に張れるようになって、初めて楽しく仕事ができると思っているので、スタッフにも周知徹底しています。
また、馬主さんからお預かりしている大切な馬を、いかに良い状態にして、いい結果に繋げられるかをスタッフ各人が考えて行動するように呼びかけています。